- 序論:不完全な征服 (1-3:6)
- カナン征服の未完了
- 異教徒との混住
- イスラエルの背教の循環の始まり
- 背教→裁き→叫び→救い→平安→背教
- 主要な士師たち (3:7-16:31)
オトニエル (3:7-11)
- 最初の士師
- クシャン・リシュタイムからの解放
エフド (3:12-30)
- モアブ王エグロンの暗殺
- 80年の平和
デボラとバラク (4-5章)
- 女預言者デボラの指導
- カナン王ヤビンからの解放
- デボラの歌
ギデオン (6-8章)
- ミデアン人からの解放
- 300人の勇士
- エフォドの問題
アビメレク (9章)
- ギデオンの子
- シェケムでの内乱
- 暴力的な死
エフタ (10:6-12:7)
- ギレアドの士師
- 無分別な誓い
- アンモン人との戦い
サムソン (13-16章)
- ナジル人としての誕生
- ペリシテ人との戦い
- デリラによる裏切り
- 最期の勝利
- 混乱の時代の例証 (17-21章)
- ミカの偶像礼拝
- ダン族の移住
- ベニヤミン族との内戦
- 処女の略奪
士師記の主要なテーマ:
- 霊的・道徳的堕落の循環
- 背教→裁き→叫び→救い→平安→背教
- 各世代の信仰の衰退
- リーダーシップの欠如
- 神の憐れみと救い
- 民の叫びへの応答
- 士師を通じての救済
- 契約の忠実さ
- 人間の弱さと失敗
- 士師たちの個人的な欠点
- 民の不忠実
- 妥協の危険性
- 王制の必要性
- 「イスラエルには王がなく、各自が自分の目に正しいと見えることを行っていた」
- 統一された指導力の欠如
- 社会的・道徳的混乱
士師記の特徴:
- 歴史的な記録
- 約300年間の歴史
- 具体的な地理と出来事
- 文化的背景の描写
- 文学的な技巧
- 劇的な物語展開
- 英雄譚の要素
- 対照的な人物描写
- 神学的な視点
- 神の主権
- 人間の責任
- 契約関係の重要性
士師記は、イスラエルの歴史における混乱と移行の時期を描いています。この書は、人間の不忠実さにもかかわらず働き続ける神の憐れみと、同時に確固たした指導力の欠如がもたらす危険性を示しています。また、この書は後の王制確立の必要性を示唆する伏線としても機能しています。
この時代の教訓は、今日の教会や社会にも適用可能で、特に指導力の重要性、信仰の継承の課題、そして何よりも神への忠実さの必要性を私たちに教えています。